「人間はその本性からしてソーシャル・アニマルである」 (アリストレス)―「1対不特定多数一方通行」のマスメディアに対して、個人の顔が見える対話的なコミュニケーションをソーシャルメディアと考えてみてもいいんではないかと思います。ソーシャルメディア的現象をあれこれメモしてみます。
デジタルメディア研究所研究員・東大法学部卒業後、都庁勤務などを経てIT関係のライター、翻訳者。著書に「データベース・電子図書館の検索・活用法」(東洋経済新報社・下中直人、市川昌弘と共著)、「 ソーシャル・ウェブ入門入門 Google, mixi, ブログ…新しいWeb世界の歩き方」(技術評論社)など。個人のブログはSocial Web Rambling
2008年03月18日
きつかわゆきお、「ドラマで泣いて、人生充実するのか、おまえ。」大出版記念会遅ればせながら橘川の出版記念パーティーのご報告を簡単に。
本の中身だが、1ページにひとつだけアフォリズムを配置するというフォーマットは橘川の文体にたいへんよくマッチして読みやすい。糸井重里さんが橘川を「オレに言わせりゃの宝物殿」と評したことがあったが、こんどの本はさしずめ橘川の正倉院か。
「詐欺というならプチ整形も詐欺だろう」、「満月の日に酒宴すると泥酔する」、「エコビジネスには死の商人の匂いがする」などなど、フォークボールから剛速球まで「オレに言わせりゃパワー」が自由自在に発揮されている。
文句なくこれまでの著作のベストだ。
会場は東京キネマ倶楽部という元グランド・キャバレーだったという鶯谷駅前の貸ホール。昭和初期に大正ロマンをモチーフにデザインされたとか。舞台と吹き抜けのダンスフロアを馬蹄形のバルコニーが2層に囲んでいる。日本にはたいへん珍しい西洋式にタッパのあるハコだ。絢爛としてるのとうらぶれてるのが絶妙にマッチw。橘川らしい。
例によって段取りはでたとこ勝負。みんながフォローするのでなんとかなってしまうのだが…。受付準備風景。ボランティアの呆れと諦めが半々な表情にご注目。和服の背中は橘川の奥さん、小林裕子さん。男女を問わずわれわれの年代で和服をきちんと着て思い切り走り回って着崩れしないというのは(お茶やお花の先生や粋筋のようなプロは別として)珍しい。なにをやっても才人はちがう。
「こども調査研究所」の高山英男所長が主賓格で挨拶された。
高山さんにお目にかかるのも何十年ぶりかだ。ロッキングオン時代に一度橘川の紹介で、高山さんがSF作家・評論家の山野浩一氏をインタビューするのにお供してテープ起しをしたことがある。なんと30年もたって、ほとんどお変わりなく、私が覚えていたとおりの姿でいらしたのには驚いた。あやかりたいもの。
今をときめく売れっ子作家、田口ランディ氏が娘さんと登場。橘川の「弟子」筋にあたるらしい。ぜひ師匠も売れてもらいたいものだ。
「社長日記」でも紹介されているnComputingのユニークなウルトラシンクライアントのソリューションを提供しているファイアサイド・マーケティングから才色兼備な経営陣がご光臨。
技評からは加藤さん、和田副編、日経BPからは藤田さん、竹内さん、柳瀬さんといったおなじみの皆さんともお会いできたし、S堂、C書房の編集者のかたがたとお話できたのもおもしろかった。これだけ中身の濃いパーティーも珍しかった。こういう会を企画した橘川に感謝。
では本のご購入方よろしく。
2007年11月19日
岩谷けい子さんが「岩谷宏と一緒」というブログを始めてました先日 ON BOOK のパーティーでという記事には橘川や裕子さんに加えて滑川のこともちらり。ブログにはタイトルどおり岩谷さんの近況もそこここに。みなさんもぜひ訪問してみましょう。バナーがかわいい。
2007年10月05日
近況報告柄にもなく、8月末から何かといそがしく、気がつけば夏休みの日記状態。
とりあえず主要事項をまとめて近況報告。
8/28(火) 知的コンテンツ・シンポジウム・知の構造化を目指して
(幕張高度ポリテクセンター)
主催 CEO協議会(理事長 綾日天彦)
『グーテンベルグ以来の革命が進行中』
綾先生は三井造船OBで東大船舶工学人脈の重鎮。ソフトウェアの生産性向上を目指してさまざまな活動を精力的にされている。今回はメディア論の観点からウェブのソーシャル化現象について私見を述べさせていただいた。幕張の「セカンドライフ」ぶりに改めて気付く。地図で見ると駅から一区画とちょっとなのだが、そのブロックがアメリカなみに大きい。
8/29(水) 中央大学公開講座・情報セキュリティー人材育成
(後楽園キャンパス)
主催・中央大学 研究開発機構
『ソーシャルウェブ:新世代インターネットの概観と社会的なリスクマネジメントへのヒント』
こちらも参加者は主として技術系の皆さん。ソーシャル・ウェブについて概観した後、各種ネット「炎上」事件の実例をあげて「社会的リスク」について解説。半分漫談。けっこう笑いをとったから成功か。
この日は幻冬舎の編集者Kさんと某プロジェクトについて打ち合わせ、つづいて糸井重里事務所の若手O君、Hさんと飲み会、と大忙し。敏腕編集者O君が元宝島なのさもありなんだが、Hさんは元吉本興業というちょっと変わりだね。話がおもしろく、最終に危うく間に合う。
9/15〜9/20 TechCrunch40取材のためサンフランシスコ出張
TechCrunch40というWeb2.0ベンチャー企業のプレゼン大会を技評の依頼で取材。
内容についてはリンク先を見ていただくとして、プレゼン20社、パネルディスかション4コマにパーティーを取材しながらリアルタイムで速報を入れる、というハードな日程が2日続いてさすがにぐったり。
いちばん壮観だったのはYahoo!の共同ファウンダー、デビッド・ファイロ、YouTubeの共同ファウンダー、チャド・ハーレー、最初のブラウザMosaicの開発者でNetscapeの元CTO、マーク・アンドリーセン、Googleへのベンチャー投資家、マイケル・モリッツというシリコンバレーのスーパースター4人が壇上に並んでのパネル。
左からファイロ、ハーレー、アンドリーセン、モリッツ
日本ではいちばん知られていないマイケル・モリッツでもGoogleの株式公開で3千億円の財産を作った。全員の資産は計算するのもばかばかしくなるが、軽く1兆円を超えているはず。
韓国からは2社も参加していたのに日本からは1社もなし。jig.jpの福原氏が2500ドルの高額チケットを買って来場していて、来年は参加したいと言っていたのが心強かった。それにしてもこれでは本当に「ガラパゴス鎖国」
状態だ。微力ながら、何かできないものかと考え中。
サイボウズの秋元氏、朝日新聞の桧山氏がそれぞれ速報取材レポートを書いているのであわせてご覧いただきたい。
未来のグーグル目指せ 米ウェブ業界がイベント(asahi.com)
サイボウズ・ラボ秋元裕樹氏の現地レポート(BroadbandWatch)
10/2〜10/3 CEATEC取材、CrunchGear編集長をゴールデン街に案内
CEATEC 2007を文字通り駆け足で見て歩く。残念ながらコレだ!というようなインパクトのある出展なし。いずれも小改良の印象。わざわざアメリカから取材に来たJohn Biggsも同意見。
JohnはGizmodo(本家)を大ブログに育てた敏腕ブロガーだ。現在はTechCrunchの姉妹ブログCrunchGearの編集長。ハンサムでもの静かなニューヨーカー。初対面だが、共通の話題があると話が尽きない。
幕張ニューオータニに宿をとってしまったのが失敗でまわりに何もない、とこぼすので新宿ゴールデン街に案内。慶應の博士課程に在学中でベンチャーを準備中のドイツ人Totoさん、イタリア人ブロガー、技評の和田副編も合流して、フランス語のできる名物ママがやってるジュテという店へ。クェンティン・タランティーノのサインがあったりしてウケる。
記念写真をママに撮ってもらったのでJohnに送ったらCrunchGearにでかく載せてくれた。
Meet Umihiko Namekawa
Johnを幕張行き電車に乗せるのをTotoさんが引き受けてくれたのでなんとか最終に間に合う。帰宅後明け方までTechCrunchの翻訳。
2007年08月11日
橘川幸夫、糸井さんと懇談8月10日、午後、橘川幸夫が東京糸井事務所を訪問、糸井重里さんと数時間にわたって懇談した。写真は糸井事務所の会議室で糸井さんの登場を待っているところ。糸井さんがお見えになってからは話に夢中で写真を撮るのを完璧に忘れた。新米ブロガーはこういうことをやってしまうので困る。反省。
横じまポロシャツの橘川の左が電通の田中さん、スーツの背中が日経BPの藤田さん、ユニークな髪型がGAOの照井くん。橘川の親しくしている皆さんで世紀のイベントwをリングサイドで見学しようとお見えになった。藤田さん、田中さんとは初対面。(今後ともよろしくお願いします。)照井くんは滑川も旧知。15年くら前に六本木の路上ですれちがって以来の再会。
糸井さん、日経BPの山中さんと鼎談実は糸井さんが「ソーシャル・ウェブ入門」を読んで面白がってくださり、7月に糸井さん、日経BPの山中さんと鼎談をさせていただいた。(内容は「ほぼ日」と「日経NBOnline」で8月末に掲載の予定らしい。楽しみ)。その後の雑談でなぜか橘川幸夫の話で盛り上がり、糸井さんが「これだけよく名前聞く人も珍しいけど、まだ会ったことないな〜」と言われた。そのあたりがきっかけで、今回の顔合わせとなったもの。