「人間はその本性からしてソーシャル・アニマルである」 (アリストレス)―「1対不特定多数一方通行」のマスメディアに対して、個人の顔が見える対話的なコミュニケーションをソーシャルメディアと考えてみてもいいんではないかと思います。ソーシャルメディア的現象をあれこれメモしてみます。
デジタルメディア研究所研究員・東大法学部卒業後、都庁勤務などを経てIT関係のライター、翻訳者。著書に「データベース・電子図書館の検索・活用法」(東洋経済新報社・下中直人、市川昌弘と共著)、「 ソーシャル・ウェブ入門入門 Google, mixi, ブログ…新しいWeb世界の歩き方」(技術評論社)など。個人のブログはSocial Web Rambling
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2007年12月27日
Amazonのクリスマス、Wii、日本以上にアメリカを席捲Amazonのクリスマス商戦の結果が出た。ゲーム分野(ソフト、ゲーム機ハード)では日米ともWiiが強かったが、アメリカ市場ではトップ10のうちWii関連ハードが5つ、ソフト2本という圧勝ぶり。ソフトではXboxのコール・オブ・デューティー4が1位と健闘したが、ソニーはPS3ワイヤレスコントローラが入っただけで、ソフトは1本もなしという惨敗。日本もWiiが勝っているが、アメリカ市場ほどの独占ではない。おそるべし、株式時価総額9兆5千億企業。
NORAD(北米宇宙航空防衛司令部)はクリスマス恒例のサンタ・モニター・プロジェクトでサンタを日本まで追跡してきた。しかるべき高等数学で計算したけっかサンタのそりは新幹線のぞみの100倍速いと判明したという。これが事実なら、秒速6.9Km/hとなり、第一宇宙速度7.9kmにかなり近い。サンタがトナカイにあと一鞭当てればサンタが衛星になるのも夢ではない。
こちらは本物のトナカイが引くソリ。フィンランドからの投稿
というわけで遅くなりましたが、メリークリスマス!
2007年12月18日
英国の新国旗は2ちゃんねらーのデザインユニオン・ジャックは、連合王国(United Kingdom)を構成する地域のシンボルを組み合わせた図案だ。聖ジョージの白地に赤十字(イングランド)、聖アンドリューの青地に白斜め十字(スコットランド)、聖パトリックの白地に赤斜め十字(アイルランド)が重ね合わされている。ところがウェールズの統合時期が早かったために国旗にシンボルが加えられていない。最近ウェールズ選出の下院議員がユニオン・ジャックにウェールズのシンボルを入れるべきだと訴えた。そこでTelegraph紙がネットで「新デザイン」を募集したのだが…、
1位
2位
3位
1位はアニメ「天元突破グレンラガン」の「グレン団旗」をノルウェー人が「参考」にしたもの。2位は2ちゃんねる発。(「ゼロの使い魔」の「ルイズ」がドラゴンの背に乗っているところだそうだ)。3位は英国内からの投稿らしいが、あろうことか「ウェールズの竜を退治する聖ジョージ」というデザイン。
「国旗を変えろ? バカ言うな」と正面きって反論したりせず、奇想天外な手を使って茶化してしまうあたりがイングランド人のブラックなユーモア精神、面目躍如だが、それにしても日本アニメに加えて2ちゃんねるの影響力も意外なところまで広がっている。
2007年12月15日
「ほぼ日」手帳、使ってます今年の夏、糸井重里さんと対談させていただいたご縁で、「ほぼ日」手帳をお歳暮にいただいた。
背は無線綴でバインダの金具がないので束があるわりにかさばらず、しかもぴったり開ける。その他すべて細部までよく考えて丁寧に作りこまれている。安い商品ではないが、似たようなサイズのブランド品の手帳にくらべればコストパフォーマンスはいい。 包み紙から化粧箱まで一貫して「ほぼ日」テイストでデザインされていて、手帳という物体を買うだけでなく、「ほぼ日・糸井ワールド」への参加という気分も買える。ある意味、ディズニーランドと同じ「トータル・エマージョン」だ。
なんにしても、いつも使っているウェウストポーチになんとか収まる大きさなのがたいへん都合がよく、ありがたく使わせていただいている。
ありがとうございました。
2007年12月03日
Kindleの衝撃―eBookのiPodになるか?AmazonのeBookリーダー、"Kndle"の衝撃がじわじわと広がりつつある。当初あかぬけないデザインを嫌ってだいぶ懐疑的だったTechCrunch編集長のマイク・アリントンもなぜか宗旨替えして「eBookのiPodになるかも」と評価し始めている。
しかしiPhone同様、こちらで利用できるようになるのは(いろいろなシガラミの関係で)先のことになるらしく、日本でのマスコミ(ブログも含めて)の反響はあまり大きくない―というようりまるで少ない。iPhoneの100分の1もなかったような気がする。発売元がAppleではなかったせいだろう。
しかし実際にはiPhoneは要するに携帯電話のスグレモノにすぎない。Kindleの影響と利用の範囲はそれどころではない。
実はOn Bookの市川編集長が2006年12月にODECOのメルマガに発表したKindleについての記事がほとんど唯一のまともな分析だ。ちなみに2006年というのはタイプミスではない。1年前、Amazonが計画してる新しいeBookリーダーのスペックが流れたとき、その情報だけを元にして書かれた記事だ。
ところが、Kindleが実際に発売された現在読んでもそのままで参考になるので、1字1句、そのまま再掲する。