「人間はその本性からしてソーシャル・アニマルである」 (アリストレス)―「1対不特定多数一方通行」のマスメディアに対して、個人の顔が見える対話的なコミュニケーションをソーシャルメディアと考えてみてもいいんではないかと思います。ソーシャルメディア的現象をあれこれメモしてみます。
デジタルメディア研究所研究員・東大法学部卒業後、都庁勤務などを経てIT関係のライター、翻訳者。著書に「データベース・電子図書館の検索・活用法」(東洋経済新報社・下中直人、市川昌弘と共著)、「 ソーシャル・ウェブ入門入門 Google, mixi, ブログ…新しいWeb世界の歩き方」(技術評論社)など。個人のブログはSocial Web Rambling
2007年09月05日
リンデンラボのCEO、セカンドライフはオープン化してアクセス料を取る、と語るシカゴで開催されたセカンドライフ・コミュニティー・コンベンション(SLCC)に登場したリンデンラボのCEOフィリップ・ローズデールにロイターのセカンドライフ特派員が独占インタビューした。いくつか重要な発言があったので紹介しておこう。
ロイター: リンデンラボの主要な収入は何か
ローズデール:リンデンラボの収入は他を引き離して土地のセールスと管理費だ。われわれのビジネスモデルの中心はホスティング・サービスだ。
ロイター: あなたは将来サーバーソフトをオープン化したいと言っている。土地のセールスがビジネスとして主要な収益源だとすると、将来これをオープンソース化すると大きな影響が出るのでは?
ローズデール:起業家はバーチャルワールドに入る際、もっともたくさんの相手が存在する場所を求める。つまりわれわれのセカンドライフのネットワークに接続することによって最大のユーザーベースにアクセスしたいという非常に強い欲求が存在するはず
ロイター: ということはリンデンラボがアクセス料金を取る?
ローズデール:その通り。私はセカンドライフへのアクセス料で収益を上げられると思っている。
ロイター: 近い将来、リンデンラボを株式上場するという計画は?
ローズデール:ノー。われわれは企業としてすでに黒字化しているし、将来にわたって成長が維持可能だ。今のところ上場の計画はない。
ロイター: 「エージプレイ」に関してドイツの法律がアメリカの法律より厳しい規定を設けるといったことをどう考えるか? さまざまな国の法律の最小公倍数〔すべての規制を取り入れる〕になるのか?
ローズデール:最小公倍数方式こそわれわれがまったく取りたくない方針だ。地域的な法律的制限をセカンドライフに導入することになるとしたら、われわれは、その法律が適用される地域からアクセスしてくる住民だけにその制限が適用されるような方法を取る。
ロイター: ということは、将来、住民のアバターに現実世界の国籍などの情報が登録されて、その国籍によって特定の制限が課せられたりすることがありうる?
ローズデール:その通り。
ロイター: リンデンラボのCEOとして、向こう半年の最重要課題は何か?
ローズデール:品質だ。われわれはバーチャル・ワールドが存在しうるということを証明できるところまで来た。今度はさらに品質を高めていって、ユーザーがこれからもセカンドライフでの活動を続けたいようにさせなければならない。ここ半年ほどユーザーの声を聞いてきて私は特にそういう思いを強くしている。なんとしても品質の改善が急務です。
その他ローズデールはセカンドライフ内のオブジェクトから直接ウェブをブラウズできる機能(セカンドライフのクライアント内にウェブブラウザを組み込むことのよようだ)を開発中だと述べている。ただし優先順位としてはバグのフィックスとダウンタイムの減少など、信頼性の向上が第一とのこと。
仮装ダンスパーティーにやってきた動物系アバターの住民。セカンドライフではfurriesという。
2007年09月04日
イミダス、知恵蔵、閉店へJ-CASTによると「イミダス」「知恵蔵」 ネットに押され紙媒体から撤退だそうだ。もともと「現代用語の基礎知識」クローンだったわけで、まだ続いていたのか、とそのほうが驚き。
この記事によれば本家「現代用語」のほうも12万部、創刊時の10分の1だという。これもその一時120万部も出ていたというのがすごい。12万部というのは微妙な線だ。刷りが10万を割りこむと全国の中小書店への配本ができなくなり、一気に苦しくなりそうだ。
いっぽうで、朝日新聞9/4朝刊にWikipediaの記事が載っていた。別に目新しい内容ではないが、朝日にもWikipediaの記事がときおり大きく載ると。まーそーゆーことです。老兵は消え行く。