2007年08月05日
ザ・コン館閉店へ秋葉原のザ・コンピュータ館がついに閉店だそうだ。ラオックス「ザ・コン」が閉館へ - 17年半の歴史に幕 そうか、17年になるのか。
秋葉原に行くとザ・コンの上の書籍売り場をのぞくことにしていたのでちょっと不便になる。コンピュータ書専門の売り場としては日本最大のもののひとつだろう。なにより空いていてのんびりできるのがよかったのだが、考えてみると客より店員のほうが多いような状態では儲かるまい。IBMのホームページビルダー10を衝動買いしたのを除けば、ザ・コンでは本しか買ったことがない。
そういえばソフトバンクのネットランナーも「休刊」だ。ザ・コンが「パソコン」時代を象徴するランドマークなら「ねとらん」はWinnyとWeb1.0を象徴する雑誌だったかもしれない。
一昔前、大型店では、パソコン雑誌のコーナーは、幅が5mかそれ以上あったものだが、今では1m以下に激減だ。IT関連の分野では一次情報がまず100%ネットに上がる。Googleで検索からRSS購読まで興味ある情報をいちはやく入手する手段にもことかかない。編集され、印刷され、取次ぎを通され、本屋の店頭に並ぶの待って、金を払って買う、という必要を誰も認めなくなったのは当然だ。
他の分野でも原理的には状況は変わらない。現在雑誌の生き残りは主に次の3つの要因によっている。
1) 一次情報がインターネットにアップされない
2) 購読者がインターネットの利用に慣れていない
3) 内容がパソコンのディスプレイで表示されるのに適していない
1)と2)の要因は今後小さくなっていく一方だから、結局残るのは3)の要因だけになる。大量の文字をモニタで読むのは疲れるし、印刷媒体は大量のビジュアルの一覧性でも優れている。つまり美しいビジュアルが勝負の雑誌と逆に単行本なみに文字量の多い雑誌だ。その意味でFactaの最新号に載っていたABCの雑誌発行部数の数字がおもしろかった。いくつかの雑誌はもう完全に命数が尽きていることが読み取れた。(グラフデータつきで無料記事として掲載されている。)
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